「心」「カラダ」を支えるけんこう総研ストレスマネジメント 株式会社けんこう総研 - 運動と栄養指導による健康セミナー・健康経営コンサルティング

2023年のストレス関連で最もインパクトのあった学術研究論文の一つは、アメリカ心理学会（APA）の「ストレスに関する2023年の報告書」でした。

参考文献：2021：Recent developments in stress and anxiety researchEditorial（ストレスと不安の最新動向）,journal of Neural Transmission(128), 1265–1267,

経済的不安がもたらすストレス

この報告書は、経済的な不安が人々に与えるストレスと、それからの回復について説明されています。

経済的な問題がストレスとなってる場合

まず、経済的なプレッシャーが現代社会においてどれほど大きなストレス要因となっているかを見ていきましょう。
特に35歳から44歳の人たちにとって、経済的な問題は最も大きなストレスの原因となっています。35歳から44歳の人たちの77%が経済的な問題を主なストレスの原因として挙げています。これは、仕事や家族の養育など、人生の中で多くの責任を担う時期であることが大きな理由です。

経済的不安が社会に与える影響

経済的な不安が与えるストレスは、個人だけでなく社会全体にも影響を及ぼします。
経済的不安が高まると、消費活動が減少し、経済全体の成長が鈍化する可能性があります。さらに、経済的不安は人々の精神的健康にも深刻な影響を与え、うつ病や不安障害のリスクを高めることがあります。これにより、医療費の増加や労働力の減少といった問題も引き起こされます。

学術的なストレス研究の進展

学術的な観点から見たストレスについての重要な研究をいくつか紹介します。特に注目したいのは、「ストレスと不安に関する最近の研究開発」という特集号です。この特集号では、ストレスが心身に与える影響や、それに対する適応と回復のメカニズムについて詳細に論じられています。例えば、ストレスがどのようにして痛みの認識や精神的健康に影響を与えるかについての研究があります。これにより、ストレス管理の新しい方法や治療法の開発が進められており、これらの研究成果は、ストレスを軽減し、心身の健康を保つための有効な手段となることが期待されています。

慢性的なストレスが引き起こす身体的影響

慢性的なストレスが引き起こす身体的な影響についての研究は重要です。長期間にわたるストレスは、心臓病や高血圧、糖尿病といった慢性疾患のリスクを高めることが知られています。また、ストレスが免疫機能に与える影響についても多くの研究が行われており、ストレスが免疫力を低下させることで感染症のリスクを高める可能性があることが示されています。

大学生の学業ストレスと精神的健康

大学生に関する学業ストレスと精神的健康についての研究も重要です。この研究では、特に女性や非バイナリーの学生、そして2年生が高いストレスレベルと低い精神的健康を報告していることがわかりました。このようなストレスの主な原因は、学業のプレッシャー、将来の不安、人間関係の問題などです。特にCOVID-19パンデミックの影響が大きく、女性や非バイナリーの学生がパンデミックによるストレスの増加を報告しています。リモート学習や社会的隔離が続く中で、これらの学生が感じる孤立感や不安感はさらに増大していたことが示されています。

ストレス研究が示す重要なデータ

このような研究は、ストレスが個人の健康に及ぼす影響を理解し、効果的な対策を講じるための重要なデータを提供しています。例えば、大学や教育機関は、学生のメンタルヘルスをサポートするためのプログラムを強化する必要があります。カウンセリングサービスの充実や、ストレス管理のためのワークショップの開催などが具体的な対策として考えられます。

結論：ストレス管理の重要性

総じて、これらの研究は、経済的な不安や学業ストレスがどれほど大きな影響を与えるかを明らかにしています。そして、個人や社会がこれらの問題にどう対処すべきかについての重要な指針を提供しています。ストレス管理の重要性を理解し、適切な対策を講じることが、心身の健康を維持し、健全な社会を築くためには不可欠です。