ストレス研究memo
運動嫌いが運動するのはストレスに悪い研究Vol.80
2024年5月26日更新
運動をするとカラダに良いだけでなく、ストレス耐性(レジリエンス)も向上させると言われています。しかし運動嫌いの人にとっては、心理的ストレスが増大してメンタルヘルスには良くないのではないでしょうか?そういった研究がいくつかあるので、今日はそんな研究をご紹介します。
運動と心理的ストレスの関係
「COVID-19パンデミック初年度における身体活動とメンタルヘルスの関連性」の系統的レビュー研究によると、運動は一般的に心理的ストレスを軽減し、メンタルヘルスに良い影響を与えるとされています。特に、適度な運動はうつ症状や不安感を減少させ、全体的な幸福感を向上させることが示されています。しかし、これらの研究は主に運動に対する前向きな態度を持つ人々を対象としており、運動に対してネガティブな感情を抱く人々に関するデータは限られています。
参考文献
PriscilaMarconcin, André O. Werneck, et.al,(2022)The association between physical activity and mental health during the first year of the COVID-19 pandemic: a systematic review;BMC Public Health volume 22
MonikaTeuber, DanielLeyhr,Gorden Sudeck (2024)Physical activity improves stress load, recovery, and academic performance-related parameters among university students: a longitudinal study on daily level;BMC Public Health volume 24
運動嫌いとストレス増大の可能性
運動が嫌いな人々には、無理に運動を行うことがかえって心理的ストレスを増大させる可能性があります。特に、特に、運動を義務感や外部からの圧力として感じる場合、運動そのものがストレッサーとなり得るという研究発表があります。
この研究を裏付けるようなデータは限られていますが、運動が自己効力感や自己評価に与える影響を考慮する必要があります。
参考文献
Marcel Lopes Dos Santos,Melissa Uftring,Cody A. Stahl,et.al(2020)Stress in Academic and Athletic Performance in Collegiate Athletes: A Narrative Review of Sources and Monitoring Strategies;Front. Sports Act. Living,Volume 2
学術的な検討
研究論文の中には、運動が心理的ストレスに与える影響を検討したものがありますが、運動嫌いの人々に特化した研究は少ないです。しかし、ある研究では、大学生を対象にした調査で、運動がストレス軽減に役立つ一方で、運動の強制がストレスを増加させる可能性があることが示唆されています。
これらの研究情報を基に、運動嫌いの人々が無理に運動を行うことによる心理的ストレス増大の可能性については、さらなる研究が必要です。具体的には、運動に対する個々の態度や感情、そしてそれがストレス反応にどのように影響するかなどの更なる調査が必要でです。