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ストレス研究memo

ストレスの基本の「キ」研究メモNo.73

2024年5月18日更新

ハンス・セリエが1946年に「一般適応症候群と適応疾患 (The General Adaptation Syndrome and the Diseases of Adaptation)」という論文を発表しました。この論文はストレス研究の基礎を築いた重要な論文です。
この論文はオックスフォード大学のホームページからご覧いただけます

初めてストレスと身体反応を結びつけたのはセリエ博士

セリエは、「ストレスが様々な疾患の原因となる」ことを初めて語った博士です。彼の研究のおかげで、ストレスが身体に与える影響を理解し始め、多くの後続研究に影響を与えました。

ストレスの基本の「キ」研究メモNo.73

ストレスが慢性的に続くと体がどのように反応するかが理解できると自分でストレスマネジメントができるようになります

今日は、この論文の中でセリエの唱える、身体がストレスにどのように反応するかを説明する「一般適応症候群(GAS)」の概念についてご紹介します。

警告反応(Alarm Reaction)

ストレス因子に直面すると、身体はアドレナリンなどのホルモンを放出し、戦闘や逃走の準備をします。警告反応とは、一般適応症候群(GAS)の最初の段階です。身体がストレス因子に直面するとすぐに起こる反応のことを言います。この段階では、身体は急性のストレスに対処するために、様々な生理的変化を引き起こします。

警告ストレスでの身体の反応

1. 交感神経系の活性化
ストレスを感知すると、交感神経系が活性化されます。これにより、アドレナリンやノルアドレナリンといったカテコールアミンが分泌され、身体が「戦うか逃げるか(fight-or-flight)」の状態に備えます。

2. 副腎髄質の反応
アドレナリンとノルアドレナリンが分泌されると、心拍数の増加、血圧の上昇、血糖値の上昇、呼吸が速くなえいます。これは、身体のエネルギーを総動員させて、危機にする防衛を整えているのです。

3. 身体の準備
これらの生理的変化により、筋肉はより多くの酸素とエネルギーを受け取り、身体はより迅速に反応する能力を持ちます。また、消化活動などの非緊急の身体機能は一時的に抑制されます。

この警告反応でのストレスの目的は、身体がストレス因子に対して迅速かつ効果的に対応するための即時的なエネルギー供給と機能調整を行うことです。しかし、この状態が長く続くと、身体に負担がかかり、次の段階である抵抗期に移行します。

参考文献

Selye H.(1946)The General Adaptation Syndrome and the Diseases of Adaptation ; Journal of Clinical Endocrinology​
タイトル: 「一般適応症候群と適応疾患」
著者 : ハンス・セリエ
出版年 : 1946年
概要 : この論文でセリエは、適応症候群とさまざまな病気との間の可能性のある関連性について言及しています。
セリエの理論は、ストレス反応からくるホルモンの影響によって病気になることを示唆しています。

SelyeH;The General Adaptation Syndrome and the Diseases of Adaptation
タイトル: 「一般適応症候群と適応疾患」
著者 : ハンス・セリエ
概要 : この文書は、1946年に発表されたハンス・セリエの論文のPDF版です。セリエの研究は、ストレスが人体に及ぼす影響を詳細に分析しています。特にストレスが引き起こす可能性のある病気について論じています。ストレスが慢性的に続くと体がどのように反応し、最終的には疲憊期に至るかを説明しています。

長くなりました。今日はこの辺にしておきますね。明日は、セリエ博士の言う第2段階抵抗期(Resistance Stage)と第3段階疲憊期(Exhaustion Stage)のストレス反応について解説していきます。

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