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ストレス研究memo

脳へのストレスに影響を及ぼす有酸素運動の効果

2024年5月10日更新

有酸素運動は、人生のあらゆる時期に神経認知機能を保持し、改善する手軽で費用効果の高い方法です。しかし、有酸素運動が脳の健康にどのように影響を与えるか、特にストレス関連の経路を通じてどのように作用するかはまだ十分には理解されていません。

男女共同参画センター施設内で、有酸素運動実技授業をおこなうタニカワ講師

有酸素運動が神経認知の健康を改善する一つの説は、ストレス関連のホルモンや、下垂体-副腎系(HPA軸)や自律神経系(ANS)に関連する信号因子の血中レベルを変化させることによるものです

有酸素運動が神経認知にどう影響するか

有酸素運動が、神経認知の健康を改善すると考えられる理由の一つに、ストレス関連ホルモンや、下垂体-副腎系(HPA軸)、自律神経系(ANS)に関連する信号因子の血中レベルを変化させることがあります。これらの変化は、コルチゾール(CORT)や唾液中のアミラーゼ(sAA)などのバイオマーカーで測定されます。有酸素運動によるこれらのバイオマーカーの変化が、神経認知の健康に良い影響をもたらす可能性があるとされています。

研究の現状と課題

多くの研究が有酸素運動とストレスバイオマーカーの関係を検討していますが、これらの変化がどのように神経認知の健康に影響を与えるかの明確な証拠はまだ不十分です。研究の多くが横断的な性質を持っており、より詳細な管理された研究が必要です。

急性運動と認知成果の関係

一部の研究では、急性の運動が記憶の定着やその他の認知機能にどのように影響を与えるかを評価しています。例えば、運動直後に一時的にコルチゾールレベルが上昇することが観察されるものの、これが長期的な認知機能の向上に直接関連している証拠は限定的です。

PA(身体活動)の影響

軽度認知障害を持つ高齢者を対象にした研究では、身体活動の量と強度が唾液のストレスマーカーとどのように関連しているかが調査されました。身体活動が多い高齢者は、低いコルチゾールレベルと高いsAAレベルを示し、これが改善された認知機能と関連していることが示されました。

総括

この研究論文では、運動によって活性化されるストレス経路が神経認知の改善にどのように寄与するかについての仮説を十分に評価するためには、もっと多くの厳密に管理された研究が必要だと結論付けています。

有酸素運動がストレス経路を通じて神経認知の利益をもたらす可能性についての理解を深めるためには、より多くの厳密に管理された研究が必要であることが明らかになりました。また、異なる集団に焦点を当てた新しい研究モデルの開発も有益です。これにより、運動が神経認知の健康にどのように影響を与えるかの理解が深まるかもしれません。

参考文献

Cristina Molina-Hidalgo氏らが2023年に発表した「Changes in stress pathways as a possible mechanism of aerobic exercise training on brain health: a scoping review of existing studies」

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