ストレス研究memo
快ストレス(EUSTRESS)と不快ストレス(DISTRESS)の評価方法: 科学的アプローチ
2024年4月2日更新
快ストレス(EUSTRESS)と不快ストレス(DISTRESS)の評価方法
快ストレス(EUSTRESS)は、個人にとって「やる気にみちた」「意欲が湧いてくる」「生産性が上がる」といったポジティブな影響を与えるストレスのことを指します。
一方で、不快ストレス(DISTRESS)は、皆さまご存じなように心身の不調といったネガティブな影響を与えるストレスを指します。
快ストレスと不快ストレスの定義
この快ストレス(EUSTRESS)と不快ストレス(DISTRESS)の区別は、主観的な感覚によるところが大きいですが、科学的な評価方法も存在します。
ストレスの評価方法
快ストレスと不快ストレスの評価については、3つに大別されます
心理学的なアプローチ
質問紙を通じて個人の感じているストレスの種類や程度を評価する方法
生理学的な指標
心拍数、皮膚の電気活動、コルチゾールレベルなどの生理的指標を測定する方法
職業ストレスの理論やモデルと関連づけた考察
具体的な研究論文については、さらに詳細な検索を行い、最新の研究結果を探してみましょう。
Le Fevre, Matheny, Kolt (2003) の研究概要
Le Fevre, Matheny, および Kolt (2003) による研究では、ストレス、不快ストレス、快ストレスの概念を検討しています。
ストレス、不快ストレス、快ストレスの概念を職業ストレスの主要な理論やモデルに関連付ける3つの原則を開発しています。
3つの原則
この研究では、
1. Selyeの快ストレス(「良いストレス」)の概念が文献で大きく無視されている
2. Yerkes Dodsonの法則を管理実践のモデルとして提示しています 。
※引用
Eustress, distress, and interpretation in occupational stress
Le Fevre, Mark;Matheny, Jonathan;Kolt, Gregory S.Journal of managerial psychology, 01 Nov 2003, Vol. 18, Issue 7, pages 726 – 744
この研究論文では、ストレスという言葉に割り当てられた意味がセリエの当初の定式化から変化していることを説明しています。、「ストレス」という語釈の変化がヤーキス・ドッドソン法の使用と相まって、組織におけるストレスの不適切な管理につながっていることを示唆しています。 この語釈により、ある程度のストレスは良いものでパフォーマンスを向上させるという概念は否定されてしまいました。その¥れだからこそストレス=健康悪ではなく、より有用で正確な概念を採用すべきであると結論付けています。