介護職の感情労働対策講演|バーンアウト予防研修事例

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介護職の感情労働対策講演|バーンアウト予防研修事例

茅ヶ崎・寒川地区の介護施設職員に実施した感情労働対策講演

本講演は、茅ヶ崎・寒川地区の介護施設職員を対象に、神奈川県高齢者福祉施設協議会/茅ヶ崎・寒川地区福祉施設連絡会の主催で実施しました。

テーマは、介護職の感情労働とバーンアウト予防です。利用者対応、家族対応、看取りケア、職員同士の連携など、介護現場では感情を抑えながら働く場面が日常的にあります。本講演では、その負担を個人の我慢で終わらせず、職場全体で共有できる課題として扱いました。

介護現場の感情労働ストレスケアの研修講演風景

介護福祉施設職員を対象に実施した感情労働ストレスケア研修の様子

介護職100名のうち「感情労働」を知っていたのは1名のみ

講演の冒頭で、参加者に「感情労働という言葉を知っている方はいますか」と質問しました。

挙手したのは、約100名のうち1名のみでした。

この結果は、介護現場に感情の負担がないという意味ではありません。むしろ、日々の仕事の中で大きな負担があるにもかかわらず、それを説明する言葉が職場に十分に届いていないことを示しています。

言葉になっていない負担は、本人の性格、忍耐力、気持ちの持ち方の問題にされやすくなります。その状態が続くと、疲労の原因が見えにくくなり、バーンアウトや離職の予防が遅れます。

介護現場で起こりやすい感情労働

介護職の感情労働は、利用者に優しく接することだけを意味するものではありません。つらい場面でも落ち着いて対応する、家族からの強い言葉を受け止める、看取りの場面で感情を整えながら職務を続けるなど、心に負担がかかる働き方を含みます。

本講演では、介護職に多い感情労働として、次のような場面を取り上げました。

  • 利用者対応で、怒りや不安を受け止めながら冷静に接する場面
  • 家族対応で、説明や謝罪を繰り返し求められる場面
  • 看取りケアで、悲しみや緊張を抱えながら支援を続ける場面
  • 人手不足の中で、笑顔や丁寧な対応を保ち続ける場面
  • 職員同士で本音を出しにくく、疲労を抱え込んでしまう場面

タニカワ久美子は、介護・福祉分野の研修で、まじめで責任感の強い職員ほど「自分がもっと頑張ればよい」と考え、疲れを口に出さない場面を見てきました。だからこそ講演では、感情の負担を個人の弱さとして扱わず、介護職の仕事に含まれる負担として整理しました。

バーンアウトを個人の問題だけにしない

バーンアウトは、突然起こるものではありません。感情を抑える場面が続き、休んでも疲れが抜けず、利用者や家族への関わりに気持ちが向きにくくなる過程の中で進みます。

講演では、バーンアウトを次の3つの変化として説明しました。

  • 気持ちがすり減り、仕事の後に強い疲労が残る
  • 利用者や家族に対して、以前より距離を置きたくなる
  • 自分の仕事に意味や手応えを感じにくくなる

このような変化は、本人の気合い不足ではありません。感情労働が長く続き、支える仕組みが弱いときに起こりやすい職場の課題です。

講演後半はシンポジウム形式で現場の声を共有

後半では、介護施設職員、市役所福祉職員、講師によるシンポジウムを実施しました。

一方的に知識を伝えるだけでなく、現場で実際に起こっている困りごとを共有する時間を設けることで、参加者が自分の職場に引き寄せて考えやすくしました。

シンポジウムでは、次のようなテーマを扱いました。

  • 感情を抑えて対応していると感じる場面
  • 疲労がたまっているのに、周囲に言い出しにくい場面
  • バーンアウトに近づいていると感じるサイン
  • 管理職や職場全体で支えられること
  • 離職を防ぐために、日頃から共有しておきたいこと

講演後に見られた反応

講演後、主催担当者や管理職からは、介護現場の疲労を「感情労働」という言葉で整理できたことへの反応がありました。

  • これまで職員が抱えていた負担を説明しやすくなった
  • 離職や疲弊の背景を、個人の問題だけで見ない視点が得られた
  • 管理職が職員を支えるうえで、感情面の負担にも目を向ける必要があると確認できた

この事例で重要なのは、感情労働という言葉を知ってもらうこと自体ではありません。職員が感じている疲れを、職場で話し合える課題として見直すきっかけをつくった点です。

人事総務・健康経営担当者が見るべきポイント

介護・福祉分野では、離職率、休職者数、人手不足などの数値に目が向きやすくなります。しかし、その背景には、職員が日々受け止めている感情面の負担があります。

感情労働が職場で共有されていないと、職員は「つらいと言ってはいけない」「自分だけが弱いのではないか」と感じやすくなります。その状態では、相談窓口や制度があっても、早い段階で利用されにくくなります。

今回の講演では、感情労働を職場の共通語にすることで、バーンアウト予防、離職予防、管理職支援につなげる視点を共有しました。

まとめ

本事例は、介護職の感情労働が現場に存在している一方で、その言葉や考え方が十分に共有されていなかったことを示す講演事例です。

約100名の参加者のうち、感情労働を知っていたのは1名のみでした。この事実は、介護現場の疲労対策を進めるうえで、まず職員の負担を説明できる言葉を共有する必要があることを示しています。

介護・福祉職の感情労働やバーンアウト予防を、職員に伝わる形で扱う研修をご検討の場合は、感情労働研修の詳細ページをご覧ください。

研修導入の背景

介護施設では、利用者対応、家族対応、看取りケア、多職種連携などを通じて、職員が感情を抑えながら働く場面が日常的にあります。一方で、その負担を「感情労働」として共有する機会は少なく、疲労や離職の背景が個人の問題として扱われやすい課題がありました。

研修後の変化・今後

講演では、感情労働を介護職に特有の職務上の負担として共有し、バーンアウト予防を個人の努力だけにしない視点を確認しました。講演後は、離職予防、管理職支援、職場内での共有の必要性について理解が進みました。

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導入企業について

神奈川県高齢者福祉施設協議会/茅ヶ崎・寒川地区福祉施設連絡会

本社所在地 神奈川県横浜市神奈川区反町3丁目17-2 神奈川県社会福祉センター内
設立 昭和43年4月1日
事業内容 高齢者福祉および介護に関する知識の普及、サービスの質の向上、調査研究を通じて、介護事業の健全な発展と地域福祉の向上に取り組む団体です。
HP
介護現場の感情労働ストレスケアの研修講演風景

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