ストレス・セルフケアを組み合わせた健康経営研修

医療福祉職場で職員が「大丈夫です」と答えるとき|本人申告前の変化を拾う管理職ラインケア研修

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介護・福祉職の感情労働ストレス

医療福祉職場で職員が「大丈夫です」と答えるとき|本人申告前の変化を拾う管理職ラインケア研修

「本人は、大丈夫ですと言っています」
「でも最近、発言が減っています」
「家族対応の後に、しばらく黙ることがあります」
「これは一時的な疲れでしょうか。それとも管理職が拾うべきサインでしょうか」

医療福祉職場の管理職や人事担当者が判断に迷うのは、職員が明確に「つらいです」と言った後ではありません。本人は出勤している。患者や利用者にも対応している。業務も止まっていない。それでも、以前とは少し違う。

この小さな変化を、忙しさや性格で片づけるか。本人申告前のメンタルヘルス早期サインとして拾うか。ここでラインケアの質は分かれます。

早期サインは、警報ベルのように大きく鳴るとは限りません。むしろ、照明が少し暗くなるように、表情、発言量、確認行動、休憩の取り方、対応後の沈黙に表れます。

本稿では、医療福祉従事者のメンタルヘルス全般ではなく、本人が申し出る前に管理職が拾う小さな変化と、職場支援へ切り替える判断に絞って扱います。

管理職が不安になるのは、働けている職員の変化です

医療福祉従事者の不調は、急に休職や退職として表れるとは限りません。

以前より表情が硬い。
申し送りで発言が減った。
確認行動が増えている。
休憩を取らずに動き続けている。
患者・利用者対応後に黙る。
同僚への返事が短くなっている。

これらは、一つだけで不調と決めつけるものではありません。ただし、家族対応、急変対応、看取り、困難事例、苦情対応、他職種調整が続いている職員に複数の変化が出ている場合は、管理職が早めに拾う必要があります。

特に責任感の強い職員ほど、「まだ大丈夫です」「ほかの人も忙しいので」「この程度で相談してよいのか分かりません」と答えることがあります。その言葉だけを見ていると、支援のタイミングを逃します。

セルフケアだけの職場と、ラインケアを設計する職場で対応が分かれます

医療福祉職場のメンタルヘルス対策には、大きく二つの方向があります。

一つは、本人のセルフケアを中心にする対応です。

「無理しないでください」
「休めるときに休んでください」
「困ったら相談してください」
「ストレスをためないようにしましょう」

これらは必要です。しかし、本人が言い出せない状態では、セルフケアだけでは届きません。責任感の強い職員ほど、自分の疲れより患者・利用者対応を優先します。

もう一つは、管理職ラインケアを職場で設計する対応です。

以前との違いを誰が拾うのか。
感情的に重い仕事が誰に偏っているのか。
どの段階で声をかけるのか。
どこから人事担当者や産業保健スタッフにつなぐのか。
声かけ後に業務調整へつなげられるのか。

ここまで見て初めて、早期サインは個人の我慢ではなく、職場で扱う判断課題になります。

社内で動かしにくい理由は、診断ではなく判断が必要だからです

管理職に求められるのは、職員を診断することではありません。以前との違いに気づき、感情的に重い仕事の偏りを確認し、必要な支援へつなげることです。

ただし、この判断は簡単ではありません。

忙しさによる疲れなのか。
感情労働による消耗なのか。
業務調整で支えられる段階なのか。
人事担当者へつなぐ段階なのか。
専門的支援が必要な段階なのか。

現場では、これらが重なって見えます。

社内だけで進めると、「本人が何も言っていないから様子を見る」「繁忙期だから仕方ない」「もう少し頑張ってもらう」となりやすくなります。しかし、本人申告を待ちすぎると、支援のタイミングを逃すことがあります。

AIで早期サインの一覧を調べることはできます。けれども、講師選定、研修設計、社内稟議、現場導入の判断までは完了しにくい領域です。医療福祉職場で動かすには、管理職がどの変化を拾い、どの言葉で声をかけ、どの段階で人事担当者につなぐかまで設計する必要があります。

タニカワの研修では、本人申告前の変化を職場の判断材料に変えます

タニカワ久美子の管理職ラインケア研修では、医療福祉従事者のメンタルヘルス不調を、本人のセルフケア不足として扱いません。

表情の変化。
発言量の変化。
確認行動の増加。
休憩を取らない働き方。
患者・利用者対応後の沈黙。
感情的に重い仕事の偏り。

これらを、管理職が早期支援につなげる判断材料として整理します。

研修現場でよく出るのは、「職員が急に辞める」「本音を言ってくれない」「頑張っている人ほど疲れているように見える」という管理職の相談です。

そこで振り返るのは、退職希望や不調申告が出た後ではありません。その前に、職場で何が見えていたかです。

家族対応や困難事例が同じ職員に偏っていなかったか。
休憩を取らずに動き続けていなかったか。
「大丈夫です」で会話が終わっていなかったか。
管理職が「困ったら言って」で止まっていなかったか。

この振り返りを行うと、「本人が言わなかった」のではなく、「言う前に出ていた変化を職場で拾えていなかった」と気づくことがあります。

本人申告を待つ職場から、変化を拾う職場へ

医療福祉職場で必要なのは、職員に「もっと早く相談して」と求めることだけではありません。

管理職が、以前との違いを見られるか。
感情的に重い仕事の偏りを確認できるか。
声かけを励ましで終わらせず、業務調整につなげられるか。
人事担当者が、勤怠や休職の数字に出る前の変化を把握できるか。
現場管理職と人事担当者が、同じ視点で早期サインを見られるか。

ここを見ないままでは、メンタルヘルス対策は本人任せになります。

管理職がどこまで声をかけてよいか迷っている。感情的に重い仕事が特定の職員に偏っている。人事担当者が社内稟議で「なぜラインケア研修が必要なのか」を説明しにくい。本人申告前の変化を職場で拾う仕組みがない。

この状態があるなら、管理職の勘や経験だけに頼らず、本人申告前の変化を職場支援へ変える研修設計が必要です。


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貴職場のストレス管理を切り口にした管理職ラインケア研修は、職員が「大丈夫です」と答える前後の変化を、本人任せではなく職場支援へ切り替えられる設計になっていますか?

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本稿では、医療福祉従事者のメンタルヘルス対策を、本人申告前に管理職が拾う早期サインに絞って扱いました。介護・福祉職全体の感情労働ストレス、職場チェック、離職防止の考え方は以下で整理しています。

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参考文献

  • 森本寛訓. 医療福祉分野における対人援助サービス従事者の精神的健康の現状と, その維持方策について:職業性ストレス研究の枠組みから. 川崎医療福祉学会誌, 2006, 16(1), 31-40. 川崎医療福祉大学学術機関リポジトリ

文責:タニカワ久美子

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