タニカワ久美子の講演スピーチ
ストレスは自律神経の働きにかかっている
2023年6月28日更新
こんにちは、けんこう総研のタニカワです。今日は、ストレスが深く影響されている「自律神経」というものについてお話しします。
自律神経は「入力」と「出力」でできている
自律神経は、私たちの体をスムーズに動かすために必要なもので、人間が生きていくために欠かせないものです。
自律神経は、
・外の世界からの情報や、体の中で何が起こっているかを脳に伝える「入力系」
・入力された情報をもとに体を動かす「出力系」
の二つの部分から成り立っています。
自律神経のスパイ活動は、脳に情報を送っている
まるで情報収集のスパイのように、自律神経は体の中で何が起こっているのか、外の世界はどうなっているのかをチェックして、その情報を脳に伝える役目を果たしているんです。
例えば
1.血管がどれだけ伸びているか、
2.血液の中にどれくらい酸素や二酸化炭素が含まれているか、
3.肝臓にどれだけ糖分やアミノ酸があるか、
4.膀胱にどれだけ尿がたまっているか、
そういったことをずっとチェックしているんです。自律神経の情報から、脳は体の状態を調節して、心地よく過ごせるようにしてくれています。
交感神経と副交感神経は自律神経の一部
「え?自律神経っていうと、交感神経と副交感神経のことだよね?」って疑がわれたかもしれませんね。でも、実は交感神経と副交感神経は自律神経の一部で、出力系の役割を果たしています。
自律神経の「入力系」は、私たちが自覚している(空腹感、満腹感、喉の渇きなどの情報を脳に送る働きをしています。それだけでなく、私たちが普段気づかないような情報も脳に送っています。
ですから自律神経は、私たちが日常生活を送る上でとても大切なものなんですね。
自律神経の情報データの「入力系」と「出力系」
自律神経の情報データの「入力系」と「出力系」は
入力系=「求心路」
出力系=「遠心路」
と呼ばれています。
入力系、つまり「求心路」は、体の中や外の世界からの情報を脳に伝える役割を果たしています。たとえば、血圧が上がったとき、この求心路がその情報を脳に送ります。
一方、
出力系、つまり「遠心路」は、求心路から得た情報を基に体を動かす役割を担っています。これが交感神経と副交感神経とふだん皆さんが呼んでいる神経のことなんです。血圧が上がった情報を受け取った脳は、遠心路の交感神経を使って血圧を正常な範囲に戻すように指示をします。これが自律神経の基本的な仕組みです。
脳の部位別の働き
脳の中でも、
・脳幹は、呼吸や血液の流れなどをコントロールしていて、
・視床下部は体温や血糖値を一定に保つ役割を果たしています。
・大脳辺縁系は感情を司っているので、たとえば怖いものを見て驚くのは大脳辺縁系の働きです。
・大脳皮質は理性や判断力を担当しています。大脳辺縁系での怖さを抑えて冷静に行動するのが大脳皮質の働です。
体の内部や外部からの情報は求心路を通じて脳に送られ、脳からは遠心路を通じて全身に伝えられます。このとき、交感神経と副交感神経が一緒に働いて、体の状態を適切に保つように調整しているんですね。
交感神経と副交感神経の二重支配!
交感神経は体を活発に動かす働きがあります。
副交感神経は体をリラックスさせる働きがあります。
交感神経と、副交感神経の二つの神経は、体の状態を微調整するために、時には逆の働きをしてバランスを取ることもあります。これを「二重支配」と呼びます。
たとえば
心臓は、交感神経によって速く動かされ、副交感神経によって落ち着かせます。この二重支配によって、心臓は常に適切な状態で働くことができるんです。自律神経は、交感神経と副交感神経が協力して、体の様々な部分を調整し、私たちが元気に過ごせるようにしているんですね。
でもすべての部分が二重支配を受けているわけではありません。
たとえば、
汗腺や皮膚の血管、腎臓などは、交感神経だけがコントロールしている部分です。これらの部分は、シンプルな調節だけで十分だから、副交感神経は必要ないんですね。
それに対して
副交感神経が関わっている部分は、もっと微妙な調整が必要な部分です。たとえば、心臓や消化器官などは、交感神経と副交感神経の両方が必要で、きめ細かなコントロールが行われているんだ。
自律神経の仕組みを理解することで、私たちの体がどのように動いているのか理解できたでしょうか?また、自律神経によりがどのように私たちのメンタルヘルスや健康に影響を与えているのかこれからもつづけて学んでいきましょう?
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