ストレス研究memo
外的条件によるストレス症状
2023年5月31日更新
こんにちは、けんこう総研代表講師のタニカワです。今日は「外的条件によるストレス症状」についてお話します。何のことかとかわからないと、難しい顔をしなくても大丈夫です。このテーマは難しそうですが、私たちの日常生活に密接に関わっているので、わかりやすく簡単に説明します。
ストレスには内的環境からくるものと、外的環境からくるものがある
ストレスとは、一体何でしょうか?それは、私たちが何かにプレッシャーを感じ、体がそのプレッシャーに反応する状態を指します。このプレッシャーは内的なもの(つまり、私たち自身の感情や考え)だったり、外的なもの(つまり、私たちの周囲の環境)だったりします。
環境からくるストレスとは
環境が私たちにストレスを与える例を挙げてみましょう。まず、考えられるのは酸素が十分にない状態、つまり「酸素不足」です。これは高所で働いている人々や、スキューバダイビングなどをしている人々にとって非常に関連しています。
酸素が不足すると、どうなると思いますか?体はいわゆる「眠気」を感じます。具体的には、5,000メートル以上の高度になると、頻繁にあくびをして眠くなり、疲れや脱力感を感じることがあります。また、「注意の範囲が狭くなる」現象も起こります。これは、視野の狭まりや周辺部にあるものへの注意が低下することを意味します。
しかしながら、酸素不足による影響は、人間の「能力」自体を必ずしも低下させるわけではありません。例えば、筋力を使った簡単なタスクや短時間で終わるテストのようなものは、高度が上がっても影響を受けにくいです。ただし、これらのタスクを長時間続けると、結果にばらつきが出たり、作業が途切れたりすることがあります。
これは、人間全体として「態度」、つまり、特定のタスクや状況を維持することが、外的ストレスにより難しくなるからです。例えば、一時的な努力でテストは解けるけど、長時間にわたる仕事を続けるのは難しい、という状況がありますよね。これが外的ストレスの現れ方の一つです。
他の外的ストレッサーとしては、例えばアルコールや高温環境も考えられます。これらも人間の反応に影響を及ぼし、仕事のミスやパフォーマンスの低下につながることがあります。
ただし、ストレスの影響は人によります。ある人が酸素不足やアルコール、高温環境に強く反応する一方で、別の人はそれほど影響を受けないかもしれません。それぞれの人が同じストレッサーに対して異なる反応を示すため、ストレス症状を一概にまとめるのは難しいと言えます。
このことは、私たちが自分自身のストレスを理解し、管理するために重要です。自分がどのような状況でストレスを感じ、どのように反応するかを理解することで、ストレスの影響を最小限に抑えることが可能となります。
ストレスが私たちの体や心にどのような影響を及ぼすか
その事に関して、ある非常に面白いトピックについてお話ししたいと思います。それは、我々が日常生活で何気なく感じることがある「ストレス」についてです。このストレスが私たちの体や心にどのような影響を及ぼすかを具体的に見ていきましょう。
初めに、ストレスは何でしょうか?ストレスとは、身体が困難な状況に対応するための反応のことをお話します。今回は、特に酸素が少ない状況、アルコールの影響、そして高温といった状況に焦点を当てて話を進めたいと思います。
低酸素状態(ハイポキシア)
まず、酸素が少ない状況、つまり低酸素状態(ハイポキシア)についてです。一緒に想像してみてください。あなたが高い山に登っていき、次第に酸素が少なくなっていく状況を。そうしたとき、あなたはどう感じるでしょうか?実は、ある研究者が調査した結果、低酸素状態では人々の動きがおおざっぱになり、文字を書く能力まで影響を受けることが分かりました。つまり、酸素が少ないと、私たちの動きや能力がうまく働かなくなるんですね。
高濃度酸素環境、特に高濃度酸素カプセル(ハイパーバリック酸素療法)
高濃度酸素環境、特に高濃度酸素カプセル(ハイパーバリック酸素療法)は、特定の医療状況で効果的です。酸素は私たちの身体の細胞でエネルギーを生み出す重要な役割を果たしています。したがって、高濃度の酸素を吸入すると、体内の酸素供給が増え、特定の体の修復プロセスが促進される可能性があります。
しかし、高濃度酸素が一般的なパフォーマンスや能力を向上させるとは必ずしも言えません。実際、過剰な酸素供給は有害であることが知られています。これは「酸素中毒」として知られ、肺や神経系にダメージを与える可能性があります。これは深海ダイビングの際に特に注意が必要な問題で、深部に潜ると高圧下で大量の酸素が体内に取り込まれるためです。
したがって、ハイパーバリック酸素療法は、特定の病状や怪我の治療に有効ですが、日常的なパフォーマンスや能力の向上に用いるべきではありません。また、この療法は医療専門家の監督下で行うべきであり、適切な医療評価と診断が必要です。
最後に、この話題を日常生活にどのように適用できるか考えてみましょう。私たちがどんな状況でも最善を尽くすためには、環境に適応し、健康を維持することが大切です。例えば、十分な睡眠をとったり、健康的な食事を摂ったり、適度な運動を行ったりすることで、外的ストレッサーから身を守ることができます。
以上が、外的条件によるストレス症状についての私の説明です。皆さまもご自身のストレスを理解し、適切に対処して、健康で快適な生活を送ることができますように。