健康リーダー応援コラム
マスクでのストレス熱中症対策ってやってる?
2021年6月2日更新
東京が梅雨に入るのも秒読み。きのうも30℃近くまで上がり蒸し暑かったですね。そんな暑い中でマスクを着けるストレスを感じませんか。
今夏も、コロナ感染予防のため屋外や運動中でも常時マスクを着けていなければなりません。これから本格化する夏に向けても、マスクの着用が求められている中、気になるのが熱中症対策です。すでにマスクの着用で熱中症のリスクとともに、マスクの下で、むんむんイライラがつのってきたらもともこもありません。そこで、暑い時期のマスク着用の注意点と、熱中症予防のポイントについて今回はお話させていただきます。
今、屋内で一日中マスクを着用している人の熱中症リスクが高まっています。冷房を付けても換気のため窓を開ければ暑くなります。通勤の電車内も湿気が解放した窓から入り冷房も効きがわるいのがわかります。
マスク着用での熱中症のリスク
まだ6月だというのに、私のような人と話すことが必須業務の方は、マスクをつけて、マスクの中がサウナ状態です。1時間も話していると、冷房が効いている室内なのにあごからの汗がしたたり落ちてきます。夏用のマスクが新発売されましたが蒸し暑さや息苦しさが全くなくなるわけではないでしょう。
マスクで高まる熱中症の予防策は
新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、人前ではマスクをつけることが「新しい生活様式」と厚生労働省と環境省は謳っています。今年の夏も猛暑がすぐにやってきそうですが、どう乗り切ればよいでしょうか。7月になると今よりももっと厳しい暑さが予想されます。熱中症もたいへん心配です。
コロナ禍での暑さ対策とWITHマスク
熱中症は、暑熱環境下で発生する熱疲労や、熱射病などの障害の総称です。高温と高湿度に体が対応できず、体内の水分や塩分(ナトリウムなど)のバランスが崩れて体温調節の機能がうまく働かず、体内に熱がこもることで発生します。私たちの体は、血管を広げて外気に体内の熱を放射したり、汗をかいて蒸発させたりして体温の急激な上昇を防いでいます。しかし、気温が高いと体内の熱は放散されず、湿度が高いと汗は蒸発しません。
熱中症の症状
頭痛や吐き気、めまい、脱力感から重症になると、痙攣(けいれん)や、意識がなくなることがあります。熱中症は、症状の進行が早く、死にたる危険性が高いので小さな子どもや高齢者、病気の方などは特に注意が必要です。新型コロナウイルス感染防止とともに熱中症予防も「3密」を避けつつ、十分な対策を行いましょう。今夏は、これまでとは違う生活環境のもと、コロナ感染症予防を行いながら、熱中症予防もおこなって暑さに備えられる体づくりをしていきましょう。
コロナ二次感染予防と熱中症予防の『新しい生活様式』
近年、熱中症の発生者が数多く報告されています。今夏は更に、新型コロナウイルスを想定した『新しい生活様式』」が環境省や厚生労働省で示されました。上記のイラストは環境・厚生労働省のリーフレットです。
熱中症は予防が大切
熱中症は命にかかわる病気ですが、予防法を知っていれば防ぐことができます。
熱中症を防ぐためには、
1.「暑さを避ける」
2.「こまめな水分補給」
3.「暑さに備えた体作り」が大切です。
また新型コロナウイルスの感染を防ぐためには、
1.「身体的距離の確保」
2.「マスクの着用」、
3.「3密(密集、密接、密閉)を避ける」
「新たな生活様式」を実践することも求められています。
マスクで熱中症のリスクは高まる?
夏は、厳しい暑さが続きます。今年の夏は熱中症対策だけでなく、ひきつづき新型コロナウイルスの感染予防もしなくてはなりません。
在宅勤務で「『夏の体』になる準備が十分にできていない人のための暑熱馴化
例年は4月、5月、6月と徐々に暑くなっていきます。通勤や通学、スポーツやレジャーなどの身体活動を行うことで、血管が拡張して血流量が増え、汗をかきやすくして体温調節を整えます。体も庭と同じです。庭に打ち水をして涼しくなるのと同様に私たちの身体の「汗」による打ち水をします。汗が乾くときに体の表面の熱も一緒に気化させてくれます。体を冷やして体温調節をしているのです。さらに汗は、体の表面を流れる血液も冷やし、冷えた血液が全身を冷やしてくれる役割をしています。こうした汗をかく準備ができないままに、通勤が再開されて今、通勤をされているのではないでしょうか?
マスクの中は高温多湿環境
さらにマスクをすることで呼気も吸気も温められているのに、マスクによって皮膚からの熱を逃がすことができないでいます。マスクの着脱も、状況に応じて行いましょう。とくに注意していただきたいのが、屋外での移動や活動をするときです。人との距離に配慮した上で、マスクを適宜はずして、休憩をとりましょう。
高温多湿環境のこの時期、熱中症の発症リスクが高まります。
熱中症は、毎年7月から8月に多く発生しています。特に梅雨明けの蒸し暑く、急に暑くなる7月には、体が暑さに慣れていないため、例年熱中症による救急搬送者数や死亡者数が急増しています。気温がそれほど高くなくても、湿度が高いと熱中症が発生しやすいので気を付けましょう。
体水分量が少ないのは大変危険な熱中症リスクファクター
夏は、前の晩に深酒をしたり、朝食を抜いての勤務は熱中症にかかりやすいです。。また風邪などで発熱している方や、下痢気味の方、肥満の方などは熱中症を起こしやすいリスクファクター(危険因子)です。アルコールによる利尿で体の水分が失われがちです。また肥満は普通体重の人よりも体水分量が少ないので、熱中症リスクが普通体重や痩せの人よりも発症しやくのが特徴です。
熱中症予防策のポイント-マスクは適宜はずして水分補給
水分補給は大切ですが、カフェインが含まれる炭酸飲料やビールでの補給は控えめにしましょう。特にアイスコーヒーやビールは利尿作用が強く、体内の水分を尿にして排泄する働きがあります。夏は、のどが渇いたという自覚症状がなくてもこまめに水分を摂取しましょう。とくに、体力のない方は、汗とともに塩分などの電解質も失われて抹消の循環が悪くなり脱力状態になってしまいます。重症化しやすいので気を付けましょう。
脱水とは反対に、一度に水分を飲みすぎると、胃ばかりが膨張して胃酸が薄まり、血中ナトリウム濃度が低下する低ナトリウム血症(水中毒)がおこります。
日ごろから暑さに備えて健康づくりをしていきましょう
高温多湿の夏場では、身体がむし暑さについていかず、自律神経の働きが鈍くなり夏バテをおこしやすくなります。
温度と湿度チェックをして運動を
気温が30℃を超えたら運動強度の強い運動は避けましょう。また湿度が高いほど体温調節のはたらきは鈍くなります。気象データを把握して運動をする習慣を身につけましょう。
できれば6月の今から、これからくる蒸し暑さに身体を馴らすために、暑くてもすこしだけ我慢して軽い運動をして汗を流していただきたいです。汗をだすことによって、衰えていた汗腺のはたらきが活発になります。汗腺がしっかり働きだすと、身体の電解質が汗とともに出なくなり、体温上昇しにくくなり疲れづらいカラダになってきます。
さあ、今年の夏は、ウイズマスクで上手くおつきあいしながら暑さに負けずに過ごしましょう。